保育園のことを話さない子、どう聞けばいい?

一日の話を聞くのを楽しみにお迎えに行き、「保育園どうだった?」と聞く。返ってくるのは、肩をすくめる、「なんにも」、あるいはさっと話題を変える。親はしめだされたように感じ、子どもが言えない、言わないだけで何かあったのでは、と心の中で心配になることもあります。でも、ほとんどの場合、保育園のことを話さない子はまったくふつうです。そして、問いつめずに子どもの世界をのぞく窓を開ける、やさしい方法があります。

小さな子が一日のことを話さない理由

一日のことを順序立てて話すのは、実はかなり高度な力です。小さな子は、出来事を順番に思い出し、ことばを見つけ、求められたときに話さなければなりません。しかもそれは、疲れて、おなかがすいて、何時間ものがんばりのあとでほっとしているときであることが多いのです。多くの子には、まだそのためのことばも、エネルギーもありません。肩をすくめるのは、何か悪いことがあったというより、「うまくことばにできない」という意味であることのほうがずっと多いのです。そう理解すると、だまっていることへの心配がずいぶん小さくなります。

大切なのは、子どもより、聞くタイミング

問題は、聞くタイミングにあることが多いものです。お迎えのその瞬間、子どもはいちばんへとへとで、保育園から家への切りかえをこなしている最中です。そこへ大きくて答えの広い質問をされると、要求のように感じてしまいます。玄関では話さない子の多くも、お風呂や夕ごはん、寝る前など、エネルギーを補給してリラックスしたあとなら、楽しそうに話してくれます。どれだけ聞くかではなく、いつ聞くかを変えるだけで、聞ける話ががらりと変わることがあります。

大きな質問は、やめてみる

「今日どうだった?」は、大人にとってさえ答えにくい質問です。小さくて具体的な質問に変えると、子どもには足がかりができます。「おやつのとき、となりは誰だった?」「お部屋で遊んだ?お外で遊んだ?」「どんな歌をうたったの?」。「積み木で遊んだ?それとも砂場?」のように選択肢をわたすと、答えの広い質問よりさらに答えやすくなります。こうした狭く具体的な問いかけは、広い質問より、ずっと本当の答えを引きだしやすいのです。

まず、親の一日から話す

子どもは、取り調べではなく、お互いに話している感じがすると心を開くことがよくあります。ちょっとおもしろかったことや困ったことをふくめて、親の一日を少し話すと、聞きたいことのお手本になり、子どもへのスポットライトもはずれます。「袖に青い絵の具がついてるから、今日はお絵かきしたんでしょう」とつぶやいてみると、「ちがうよ」の訂正やおはなしをそっと引きだせることもあります。質問攻めではなく会話にすると、プレッシャーが下がります。連絡帳を見ながら話題をひろうのもいい方法です。

ことばにできないことは、遊びと絵本で

保育園のことを直接話さない子も、遊びを通して見せてくれることがあります。ぬいぐるみが保育園に行って一日を過ごす、そんな場面をおもちゃで遊ぶと、説明するプレッシャーなしに、子どもが考えていることや感じていることが出てくることがよくあります。保育園の絵本を読むと、自分のところと同じところや違うところを指さしてくれるかもしれません。こうした遠まわりの道は、正面からの質問よりたくさんのことを教えてくれることがよくあります。

沈黙を、心配でうめない

静かな子を悩んでいる子と読んでしまうのはかんたんですが、保育園についての沈黙は、たいていただの沈黙です。先生から、楽しく遊んで、食べて、活動に参加していると聞いていて、子ども自身も満ちたりているように見えるなら、毎日の報告がないことは心配することではありません。静けさに親の不安を重ねると、ぎくしゃくした空気が生まれ、子どもはますます話しにくくなります。全体の姿を信じると親も肩の力がぬけ、それがまた会話をしやすくしてくれます。

扉は開けたままに

長い目で見ていちばん効くのは、求めずに、興味をもって、いつでも聞ける状態でいることです。保育園の話を聞くのが大好きだから、話したくなったらいつでも教えてね、と伝え、あとは子どもが自分のタイミングで話しにくるのを待ちましょう。それは、思いもよらないときにやってくることが多いものです。お風呂や寝る前など、急がない時間にそばにいると、ふいに出てくるおはなしの受けとめ場所になります。一日の報告をしなければというプレッシャーのない子のほうが、ずっと自分から話してくれます。

静けさが、もっと何かを意味しているとき

沈黙はたいていふつうのことですが、ほかの変化といっしょに出ていないかには気をつけましょう。保育園のことを話さないうえに、ひきこもったようになる、ただ疲れているのではなくこわがっているように見える、園や特定の人の話が出るとはっきり取りみだす、眠り、食事、機嫌が長いあいだひどく乱れている、という組み合わせは、もう少し探る価値があります。担当の先生に園での様子を聞き、心配が続くなら地域の保健師さんに相談しましょう。ただ静かなのではなく何かおかしいと感じたら、親の直感を信じてください。

ポイント: 保育園のことを話さないのは、たいてい疲れているか、ことばが足りないだけ。一日のあとのほうで小さく具体的な質問をして、残りは遊びにうめてもらいましょう。

NHS, Help your baby learn to talk

CDC, Positive Parenting Tips: Preschoolers (3-5 years)