20分でできる「家族のお絵かきタイム」の続け方
家族でいっしょに何かつくる時間、すてきですよね。でも準備や汚れ、そもそも時間がないことを思うと、腰が重くなりがちです。安心してください、凝る必要はありません。20分の家族のお絵かきタイムなら、ふつうの平日の夜でも十分できます。短くて毎回同じ流れだからこそ、一回きりの張りきった企画で終わらず、続いていきます。
大きく、たまにより、小さく、いつも
子どもはリズムのある暮らしで安心します。年に2回の大がかりな工作の日より、毎週くり返す小さな習慣のほうがずっと力になります。20分は、夢中になるには十分で、みんなの根気や夜の時間を守れる長さ。大切なのはつながりといっしょにつくる楽しさで、作品展をひらくことではありません。お絵かきが週の中のなじんだ、手間のかからない時間になると、子どもは楽しみに待つようになり、大人も続けやすくなります。
すぐ始められる道具箱を
どんな習慣も、いちばんの敵は「面倒」です。先に取りのぞいておきましょう。紙、クレヨン、水で落ちるマーカー、スティックのり、子ども用の安全なはさみ、シールや厚紙の切れはしを少し。全部をひとつの箱にまとめておけば、数秒で始められます。続くかどうかは、気のきいた工作アイデアよりも、このさっと出せる道具箱にかかっています。
4つのステップで流れをつくる
毎回同じ流れだと、みんなすぐに気持ちが切りかわります。たとえばこんなふうに。2分でいっしょに準備(シートを敷いて箱を開ける)。1分で今夜のお題を決める。15分ほど、となりに並んでつくる。最後の数分はみんなで片づけ。これだけです。毎週同じ形なら頭を使わずにすみ、子どもはなじんだ流れに安心します。それが一回きりを習慣に変えます。
準備のいらないお題
SNSで見かけるような凝った工作を用意する必要はありません。どの年齢でも楽しめるゆるいお題をいくつか回せばじゅうぶんです。今日のできごとを描く。みんなでバナナなど同じ物を描いて見せあう。くねくね線を描いてとなりの人に回し、絵にしてもらう。3色だけでおばけを描く。資源ごみの箱からコラージュ。お題はゆるく、2歳の子から大人まで、それぞれが好きな方向へ広げられるように。お題はきっかけで、きまりではありません。
大人も自分の絵を描く
いちばんの決め手は、大人も見守り役ではなく、自分の作品をつくることです。親がゆがんだ絵を楽しそうに描いているのを見ると、お絵かきは子どもを静かにさせるためのものではなく、家族でいっしょにする遊びになります。大人の肩の力が抜けた不完全な参加は、創造は誰のものでもあると示し、子どもに向いていた視線やうまくやらなきゃという気持ちをやわらげます。大人にとっても心地よい20分になるので、続けやすくなります。
「やらなきゃ」にしない
習慣を続けるには、だんだん欲が出たり、ピリピリしたりしないよう守ることです。勉強にしない、作品を直さない、こう描くべきという基準をつくらない。お題をやめてなぐり描きしたいなら、それでいい。早く終わる子がいても大丈夫。お絵かきタイムが宿題やけんかのように感じられた瞬間、続かなくなります。気楽で、あたたかく、気持ちのうえでは参加自由。それが長続きの秘訣です。
わが家の暮らしに合わせる
理想ではなく、わが家に合う時間を選びましょう。週1回夕食のあとにする家庭、ゆっくりした週末の朝にする家庭、決まった曜日のお風呂前のひと息にする家庭。みんながそこそこおなかが満たされていて、疲れすぎていない時間を選び、すでにしていることにくっつけると忘れません。実際の一週間に合う習慣は残り、予定と戦う理想の習慣は続きません。
年齢差や気分の波には
年齢の違うきょうだいがいるなら、ゆるいお題なら同じテーマでそれぞれのレベルで取り組めて、比べあいになりにくくなります。疲れている子や気分がのらない子のために、ぬりえやシールなどおだやかな選択肢も用意して、無理に参加させないこと。家族みんなが夢中になる夜もあれば、8分でだれかがいなくなる夜もあります。どちらも成功です。一回ごとの出来より、習慣そのものに意味があります。
じわじわ積みかさなる効果
絵そのもの以上に、決まった創作の時間は、子どもに急かされない、まるごとの注目を届けます。これは何よりの栄養です。指先の力、想像力、ことばが育ち、画面のない時間に、となりに並んで話したり笑ったりできます。こうした良さは、ひとつの傑作からではなく、家族でいっしょにつくるというシンプルなくり返しから、何週間、何か月とかけてゆっくり積みかさなっていきます。
今週から始めてみる
完ぺきな準備がととのうのを待つ必要はありません。今夜、箱に道具をいくつか入れ、週のなかの合う時間を決め、かんたんなお題をひとつ選んで、みんなで気楽に20分。小さく、あたたかく、くり返す。凝った工作よりも、このささやかで続けられる習慣こそが、家族でつくる楽しさを暮らしに根づかせます。
ポイント: 道具箱、4つのステップ、ゆるいお題。それだけで、家族みんなが参加できる20分のお絵かきタイムに。短く、あたたかく、くり返しましょう。