気持ちがたかぶった幼児を落ち着かせるには

泣きさけんで体をそらせ、抱っこしようとすると手足をばたつかせる。どうしたら落ち着いてくれるのか、こちらまで途方にくれてしまいますね。幼児の気持ちがあふれるのは、気持ちと衝動と、使えることばとが大きくかみ合わなくなったときです。目指すのは、すべての線引きに納得させることではなく、人を守り、避けられるきっかけを減らし、落ち着いているときに代わりの行動を1つ練習して、たかぶったときにも少しずつ使えるようにしていくことです。

まず、その場でできること

落ち着かせる手助けは、気持ちが爆発する前の予防と、いちばん激しいときの対応を分けて考えるとわかりやすくなります。最中にできるのは、体の高さと声を低くすること、そしてことばと、音や光などの刺激を減らすことです。かんしゃくへのごほうびではなく、受けとめきれなくなっている子への要求を減らすための対応です。

教えるのは、落ち着いてから

練習は、落ち着いてからです。そばにいてほしいのか、少し離れてほしいのか、子どものサインに合わせましょう。深呼吸や体を動かす方法は、かんしゃくの最中ではなく、穏やかなときに遊びとして練習しておきます。大変な瞬間に使えるようになるまでには、何度もの支えが必要です。すぐに謝ることや明るく受け入れることを求めなくても、大人の対応はぶれずに続けられます。

はじめに見ておきたいこと

何度か続いたら、簡単に記録をとりましょう。子どもの望み、線引きや切りかえ、空腹や疲れのサイン、大人の反応、落ち着きを取り戻すまで。起きやすい時間や場所のパターンは、まだ育っていない力と、要求の高すぎる場面を見分ける助けになります。急な変化があったときは、病気や痛み、生活の変化も疑ってみましょう。

落ち着くまでの手順

  • 体の高さと声を、低くしましょう。
  • ことばと、音や光などの刺激を減らしましょう。
  • 子どものサインに合わせて、そばにいるか、少し距離をとりましょう。
  • 深呼吸や体を動かす方法は、かんしゃくの最中ではないときに練習しましょう。

対応の基本は、準備、短い線引き、そばにいること、説明はあとで、の4つです。起きやすい場面の前に備え、「だめ」は一度だけ伝え、けがを防げるところにいて、話は子どもが受けとめられるときまで待ちます。気持ちがつながり直したら、次の同じ場面で使えるひと言やしぐさを練習しましょう。

家族や保育園と、決めておくこと

パートナーや祖父母、保育園の先生など、その場面に居合わせそうな大人とは、誰がいても同じようにできる対応を決めておきましょう。たとえば「体の高さと声を低くする」、それから「ことばと、音や光などの刺激を減らす」。どのくらいで変わるはずと約束するのではなく、大人が何をするかを言葉にしておきます。ことばは短く、対応は毎回わかりやすく。子どものサインに合わせて、そばにいるか少し距離をとるかを決め、きょうだいを守る方法、外出先を離れる方法、無理なく要求をいったん止める方法も、新しいもめごとを生まない形で前もって決めておきましょう。

1週間ふり返ってみる

ある1週間を選び、その場面だけを記録します。きっかけ、疲れや空腹、関係していた「だめ」、危ないこと、大人の対応、落ち着きかた。行動にごほうびや罰をつけるためではなく、くり返すパターンと、教えられる代わりの行動を見つけるために使いましょう。

1週間たったら、前より安全になったか、短くなったか、わかりやすくなったか、そして子どもが代わりの行動を少しでも使えたかを考えましょう。うまくいった落ち着いた対応は続け、避けられる力くらべはやめます。激しさが変わらない、どこでも起きる、発達の心配があるといったときは、記録を持って専門家に相談しましょう。

安全と、子どもの尊厳を守る

危険な行動、つまりたたく、かむ、投げる、危ない方へ駆けだすことは、必要なだけの力で止めましょう。できれば、まわりの人やかたい物を離します。最中に、恥ずかしい思いをさせる、おどす、手をあげる、謝罪を求めるのは避けてください。子どもはがっかりしたままでいい。大人は、必要な線を落ち着いて守ればいいのです。

つまずきやすいところ

  • 子どもが聞ける状態にないのに、その場で長い説教をはじめる。
  • 人前でのいたたまれなさから、線引きをひっこめてしまう。
  • ぎこちない笑いを、計算した反抗だと読みとってしまう。
  • まだ教えていない力ができないことを、叱ってしまう。

前進のしるし

前進の形はいろいろです。いちばん激しい時間が短くなる、たたく手が止まりやすくなる、大人の手助けを受け入れる、決めた合図を使う、日課が全部だめにならずに戻ってこられる。調整する力が伸びていても、かんしゃくがゼロになるわけではないので、すぐの服従ではなく、時間をかけた変化を見ましょう。

専門家に相談したいとき

頻繁なけが、極端な激しさや長さ、場所を選ばない爆発、できていたことの後戻り、ことばのやりとりの大きなむずかしさ、大人が安全を守れない状態。どれかがあれば、専門家に相談してください。差しせまった危険がある、子どもの体調が急に悪そうなときは、すぐに地域の救急を頼りましょう。

覚えておきたいこと

防げることは防ぎ、危ない行動は止め、線引きは短く伝え、代わりの行動は落ち着いてから教える。子どもが線引きに賛成する必要はありませんが、どんな対応も子どもの尊厳を守り、次は安全に参加できる現実的な方法を渡すものであってほしいのです。

ポイント: 落ち着くための手助けは、安全で役に立つ次の一歩を1つ。それを無理なくくり返せる形にしておきましょう。

American Academy of Pediatrics, Positive discipline

American Academy of Pediatrics, Big feelings

CDC, Developmental Milestones