年齢のちがうふたりに、いっしょに読み聞かせ

本をかじりたいくねくねの赤ちゃんと、ちゃんとした冒険が聞きたい4歳の子。同じおはなしの時間にふたりを満足させるのは不可能に思えます。年齢のちがうふたりへの読み聞かせが、いつもひとりはたいくつ、ひとりはイライラで終わるとしても、やり方がまちがっているわけではありません。本当に曲芸のようなもので、いくつかのシンプルな工夫で、みんなにとってずっと楽しくなります。

むずかしく感じる理由

年齢がちがう子は、本にちがうものを求めています。赤ちゃんや小さな子は、短くてじょうぶな、感覚で楽しむ本と大人の声がほしくて、長くはすわっていられません。幼児や大きい子は、長めのおはなし、すじ、問いかけ、ゆたかなことばがほしい。1冊でいっぺんに両方を満たそうとすると、たいていだれかが不満になります。うれしいことに、そうしなければならないことはめったにありません。

めざすのは、毎晩ふたりを同じだけ夢中にさせる完ぺきなおはなしの時間ではありません。1週間を通して、毎日2回分をまるごと続けて読まなくても、それぞれの子に必要なものが届く、柔軟なまぜ方です。

ふたりにいっしょに、上の子に合わせて読む

たいていは1冊をふたりに読めて、少し上の子寄りに合わせるのがいちばんうまくいきます。下の子は、ことばを全部追えなくても、長くてゆたかなおはなしを聞くことから受けとるものがあり、上の子は夢中のままでいられます。そのあいだ赤ちゃんは大人のひざの上で、自分用のボードブックを持ったりかじったりしながら、大人が部屋じゅうに読むのを聞いていられます。

流れをよくするには、下の子に仕事をあげましょう。ページをめくる、わんわんを指さす、自分の本を持つ。上の子には大きな役を。次に何が起きるか予想する、質問にこたえる、下の子に1ページ「読んであげる」。みんなが自分のレベルで仲間に入れます。

それぞれにリードの番を

ふたりに半分ずつ合う1冊ではなく、交代にしましょう。ある晩、ある1冊は赤ちゃんの選んだ短くてシンプルな本、次は上の子の選んだ長くて読みごたえのある本。交代は公平に感じられ、それぞれが自分に向けたおはなしをいつも受けとれます。「これは弟の本、次はあなたの本ね」と声に出して言えば、待っている子も自分の番が来るとわかります。

上の子に本選びを手伝ってもらい、赤ちゃんに読んであげてもらうと、大人の注目をとりあうライバルではなく、誇らしいお手伝いさんになります。

できるときに、少しの1対1を

いっしょの読み聞かせがどんなにうまくいっても、それぞれの子は、ときどき自分だけのおはなしの時間をもらうことで得るものがあります。毎日でなくても、長くなくてもかまいません。実際の家族の暮らしに合う方法はこんなところです。

  • 寝る時間を少しずらし、ひとりが落ちついたり遊んだりしているあいだに、もうひとりに読む。
  • お昼寝の時間を使って、上の子と長めの、少し大きい子向けの本を。
  • 上の子が静かに遊んでいるあいだに、赤ちゃんに読む。
  • パートナーや祖父母と分担し、それぞれがひとりずつ担当する。

週に何回か、ほんの数分でも1対1の読み聞かせがあると、それぞれの子が見てもらえていると感じ、本をその子にぴったり合わせられます。

共通点を生かす

年齢をこえて本当にうまくいく本もあり、集める価値があります。赤ちゃんが大好きなとなえやすいくり返しがあって、上の子向けにすじも少しある、リズムのあるおはなし。ふたりともくすくす笑うおもしろい本。参加できるしかけ絵本。見るところがたくさんある美しい絵本。歌やわらべうたもすばらしい架け橋で、赤ちゃんも幼児も、手遊びとくり返しをいっしょに楽しめます。

動物の鳴き声を担当する、本を持ちあげる、次のページを選ぶなど、上の子をいっしょに読む人として巻きこめば、下の子のために選んだシンプルなおはなしでも、上の子は夢中のままです。

よくあるつまずき

毎晩きっちり平等にしようとすると、くたくたになりますし、その必要もありません。1週間でバランスがとれればじゅうぶんです。ある日はこちら寄り、ある日はあちら寄り。めざすのは毎回同じ扱いではなく、時間を通しての公平さです。

いつも真ん中に合わせて、どちらも満たされないのも、わなのひとつ。全部をうすめるより、いっしょの本は上の子に合わせて、赤ちゃんはそばで楽しく遊ばせておくほうがいいことがよくあります。

相談したほうがいいとき

きょうだいのおはなしの時間は曲芸のことで、医学的な心配ではないので、分けあうこと自体に気をつけることはありません。いつものように、どちらかの子について、たとえばことばの遅れ、時間がたっても本に興味がない、よく聞こえていない、見えていないようなしるしがあるなど、心配があるときは、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に伝えましょう。これらはそれぞれの子の発達の一般的な目安で、警報ではなくやさしく伝えています。

覚えておきたいこと

年齢のちがうふたりへの読み聞かせは、ふたりにぴったりの1冊を追いかけるのをやめたときに、いちばんうまくいきます。いっしょのおはなしは上の子に合わせて赤ちゃんには自分の本を持たせ、リードは交代で、できるときに小さな1対1のポケットをとり、年齢差をつなぐわらべうたやおもしろい本にたよりましょう。1週間でバランスがとれていれば、みんなに必要なものが届き、おはなしの時間は家族みんなが楽しみにするものになります。

ポイント: いっしょの本は上の子に合わせ、赤ちゃんには自分の本を。リードは交代で、小さな1対1の時間もとり、毎晩ではなく1週間でバランスを。

AAP HealthyChildren, Reading Books With Babies

NHS, Learning to talk (Start for Life)