晴れた日は影で遊ぼう。外でできる、親子の影の探検

晴れた日、小さな子は、黒いふたごがどこまでもついてきて、なんでもまねして、どうしても離れないことに気づきます。影は、子どもが最初に出会う物理のひとつ。しかも自分で動かせるので、幼児にとってはどんなおもちゃよりおもしろいのです。日ざしと少しの広ささえあれば、なんでもない午後を、光のしくみをそっと教えてくれる大はしゃぎの実験の1時間に変えられます。

子どもが影に夢中になるわけ

影は、「こうすると、こうなる」が目に見える形です。腕を動かすと影も動き、かべのうしろにかくれると消える。世界が自分にどうこたえるのかをまだ確かめている子にとって、このすぐ返ってくる反応はたまらないものです。影は大きな考えへの入り口でもあります。光は進むこと、ものが光をさえぎること、一日のなかで変わっていくこと。どれも説明しなくてかまいません。子どもと外で影を探検する時間をつくるだけで、まず体験がたまり、理解はあとから、その子のペースでついてきます。

タイミングを選ぶ

必要なのは、日ざしと、影がうつる明るく平らな場所です。テラス、歩道、公園、かべなど。光がはっきりしているほど影もくっきりするので、もやっとした昼より、晴れた朝や午後のほうが向いています。朝早くと夕方は太陽が低く、影が長くのびてドラマチックになるので、子どもは大喜びです。遊びながら日ざし対策も忘れずに。帽子、日かげでの休憩、日焼け止め。晴れた日の外遊びは、強い光の中で過ごす時間でもあります。

まずはこんな遊びから

わくわくがあるのは自分の体なので、まずは体から始めましょう。おたがいの影を追いかけたり、逃げるお子さまの影をふもうとしたりする影ふみは、笑い声が絶えません。ひとりがポーズをとって、もうひとりの影が同じ形をまねする影のまねっこもおすすめです。手をふらずに影に手をふらせることはできるかな?しゃがむと小さく、のびをすると大きくなるかな?木やかべの日かげに入って影をかくし、ぴょんと出てまた呼びもどすのも楽しい遊びです。影には光が必要で、光がないと消えてしまうことが、遊びのなかで伝わります。

ちょっとだけ探検を足す

夢中になってきたら、やさしい問いかけをはさんで、遊びを気づきに変えていきましょう。「影はどこにある?前?うしろ?」「くるっと回ったらどうなる?」。影がいつも足もとにくっついているのはなぜだろう、といっしょにふしぎがってみます。棒や葉っぱ、おもちゃで影をつくり、見る前に形を予想してみるのもいいでしょう。「背の高いものと低いもの、どっちの影が長いかな?」。正解はいりません。予想して確かめることを教えているのです。それが科学の考え方の根っこです。

年長さんには、なぞって測る

4歳ごろからは、少し長い取り組みも楽しめます。晴れた朝、お子さまに歩道でじっと立ってもらい、影のまわりをチョークでなぞります。お昼にもう一度、そのあとまた来て、そのたびに影を描きます。同じ場所に立っていたのに影が動き、長さも変わっていることに、お子さまは本気でびっくりするはずです。太陽が空を動いていくことに気づける、すてきでゆったりした方法です。ごみ箱や電柱など動かないもので同じことをして、影の先っぽに一日じゅう印をつけていけば、かんたんな日時計になります。

しくみを話すなら

お子さまが「どうして影ができるの?」と聞いてきたら、短く、本当のことを伝えましょう。何かが光をさえぎると、そのうしろの地面が暗いままになる。それが影です。朝や夕方、太陽が低いときは影が長くのび、お昼に太陽が高いと影は小さくちぢみます。話すより見せるほうがずっといいのです。太陽と地面のあいだに手をかざして、影があらわれて動くのをお子さまに見てもらいましょう。この年齢では、聞くより見るほうが伝わります。

家の中へ、その先へ

太陽がかくれても、好奇心はおしまいではありません。くもりの日は、うす暗い部屋で懐中電灯を使えば、同じように室内の影で実験できます。光を近づけたり遠ざけたりして、形を大きくしたり小さくしたり。かべに手で影絵をつくれば、遊びはおはなしづくりへと広がります。建物の日かげや、帰り道にお子さまの影が迎えてくれる様子など、毎日の影にも目を向けてみましょう。一度影に気づいた子は、たいてい気づきつづけます。それこそがねらいです。

安全について、少しだけ

影遊びは強い日ざしの中で過ごす時間なので、しっかり守ってあげましょう。つばの広い帽子、肌をおおう服、出ている肌への日焼け止め、こまめな日かげでの休憩、そしてたっぷりの水分。生後6か月未満の赤ちゃんは、強い直射日光にまったく当てないようにします。遊んでいるときに太陽のほうを見るようすすめるのはやめましょう。目を傷めることがあります。こうした備えさえあれば、影ふみは晴れた1時間を過ごす、いちばん安全で楽しい方法のひとつです。

ポイント: 晴れた日に明るい地面で、影を追いかけ、まねして、なぞってみましょう。かんたんな問いかけで、遊びが小さな科学に変わります。

NHS, Sunscreen and sun safety

AAP HealthyChildren.org, The Power of Play