4歳から7歳の子とつける、自然観察ノート
自然観察ノートというと、根気のある大きな子にしかできないものに聞こえるかもしれません。でも、きれいなページや正しい名前へのこだわりさえ手放せば、4歳から7歳の子とでもすばらしく楽しめます。この年ごろのノートは、学校の課題ではありません。ゆっくりして、ひとつのものをしっかり見て、お子さまが気づいたことを残しておく場所です。なぐり描きでも、ことばでも、貼りつけた葉っぱでも、その子が選んだ形でかまいません。やさしく続ければ、なんでもないお散歩が、心からの注意を向ける習慣に変わります。
小さな子のノートは、なんのため?
4歳から7歳の子と自然観察ノートをつける目的は、美しい本をつくることではありません。立ちどまってじっくり見て、見たものを心にとどめておくことです。葉っぱを1枚描くために足を止める。それだけで、百枚の前を急いで通りすぎる1時間より、ずっとていねいな観察が身につきます。ノートは、文字や絵を描く力の芽を育て、季節とお子さまをつなげ、何か月もたつと、ふたりで見かえすのが楽しみな宝物の記録になります。この目的を心にとめておけば、きれいに整えたくなる気持ちをぐっとおさえられます。
シンプルに始める
用意するものはほとんどありません。無地のノート、裏紙をホチキスでとめた束でもじゅうぶんです。あとは鉛筆かクレヨン、お好みで、ものを貼るためののりとテープ。立派なものは買わないようにしましょう。大事すぎるノートだと、汚すのがこわくなってしまいます。玄関やいつものかばんに入れておけば、お出かけのときに手間なく持っていけます。毎日の決まりにすると、ふたりともだんだん重荷になるので、ときどき短く書くくらいから。1週間に1ページでじゅうぶんで、何もない週があってもかまいません。
ページの埋め方いろいろ
どう記録するかは、お子さまに選んでもらいましょう。自分のものだという気持ちが、やる気を長もちさせます。中心になるのは絵です。葉っぱ、カタツムリ、花など、ひとつ選んで、本物を見ながら描く。観察はここで起きています。押し葉や鳥の羽のような平たい見つけものを貼ったり、木の皮や葉っぱをページに直接こすり出したり、見た色に合わせて色をのせたりもできます。ことばは、ひらがな1文字でも、ゆらゆらの1文でも、その子にできる形でかまいません。お子さまが言ったことを大人が代わりに書いてあげてもいいのです。写真を印刷して貼るのもありです。
書きはじめのきっかけになる声かけ
まっ白なページを前に、小さな子が固まってしまうこともあります。指示ではなく、やさしいきっかけを差しだしましょう。「今日見たなかで、いちばんおもしろかったものを描いてみる?」「今日の天気を絵にしてみようか」。好きな色のものをひとつ見つけて、ページにのせてもらうのもいいですね。毎月同じ木を描くような、くり返しのページもおすすめです。季節の移りかわりがあらわれて、子どもは本気でびっくりします。どんよりした日は、見つけた鳥や虫を全部、絵か文字でならべるだけのページでもかまいません。お子さま自身の気づきが先頭に立てるよう、声かけはひらいたままにしておきましょう。
汚れも、まちがいも、そのままに
ここが親にとっていちばんむずかしいところなので、はっきりお伝えします。ノートはお子さまのものです。つまり、汚くなります。そしてそれがまさに正解です。どれほどうずうずしても、絵を描きなおしたり、字を直したり、レイアウトを整えたりしないでください。大人に作品をよくされつづけた子は、すぐにやりたくなくなります。ページがなぐり描きでも、それは立派な記録です。ほめるなら仕上がりではなく見たことを。「きれいに描けたね」ではなく、「あのクモ、本当にじっくり見てたね」。ここで守られる自信は、整ったノートよりはるかに価値があります。
楽しい習慣にする
ノートが育つのは、プレッシャーではなく、軽くて規則的なリズムがあるときです。日曜のお散歩のあとに1ページ、毎月1日にベランダの植物を描く、といったように、すでにしていることに結びつけましょう。ときには大人もとなりで自分のページを描いてみてください。子どもは見たことをまねしますし、大人がいっしょにやってくれると大喜びします。ときどき古いページをいっしょにめくると、記録がふえていくことや、1年がめぐっていくことがお子さまにも見えます。興味がうすれたら、しばらくしまっておいて、また今度出せばいいのです。むりにやらせると、元も子もありません。
お子さまといっしょに育つノート
年月とともに、同じシンプルな習慣が深まっていきます。4歳の子はカラフルななぐり描きと貼りつけた葉っぱ1枚かもしれませんが、7歳になると何行か文を書いたり、名前を書きこんだり、「どうして今週の池にはカエルの卵があったんだろう」とページの上で問いを立てはじめたりします。せかす必要はありません。ノートを差しだしつづけて、お子さまが自然に豊かなページへ育っていくのを待ちましょう。何年も大きくのびのびした絵のままの子もいて、それでまったくかまいません。価値があるのは、ページの出来ばえではなく、立ちどまって気づくことを地道に続けることです。
心の健康について、ひと言
ノートつけに医学的に気をつけるべきサインはありませんが、やさしく続けてください。もしノートがけんかや涙、「できなかった」という気持ちのもとになってきたら、思いきって手をゆるめましょう。目的は、自然とも大人とも、あたたかい関係を育てることです。うまくやらなければいけないことをひとつふやすことではありません。外で過ごす時間も、急がない創作の時間も、幼い子の心の健康を支えます。何よりも、のんびりした、気負わない雰囲気を守ってあげてください。
ここを大切に: 無地のノートとやさしい声かけを用意して、きれいさではなく見たことをほめましょう。ノートは汚れていい、お子さまのもの。気負わずに続けます。
NHS, Physical activity guidelines for children under 5 years