お片づけは算数の時間:分ける、合わせる、数える

お片づけは、親にとっても子どもにとっても、あまりうれしいものではありません。でも、ものをしまうという毎日の作業には、数の感覚が静かにあふれています。おもちゃをまとまりに分ける、なべにふたを合わせる、箱に数えながらもどす。どれも本物の算数です。お片づけに、分ける、合わせる、数える、を織りこむと、片づけが速くなり、しかもかしこくなります。

お片づけは「分類」

ものがどこに入るかを決めることは分類と呼ばれ、本物の算数の力です。車は赤い箱、積み木は青い箱と考えるとき、子どもはものをある性質でまとめています。これは、のちに数や形、データを分けることを支えるのと同じ考えかたです。お片づけのたびに、ふつうの家事の姿をした練習のチャンスがあります。

まとまりに分ける

お片づけに分けるルールをつけると、遊びになります。「動物はみんなこのかご、車はみんなあっちのかご」。種類、色、大きさ、どの部屋のものかで分けられます。ときにはルールをお子さまに決めてもらいましょう。同じものどうしをまとめることは、お片づけの算数の中心で、ちらかったものがきちんと整って消えていきます。

ペアを合わせる

お片づけには、合わせることがあふれています。洗たく物のくつした、なべとふた、くつのペア、パズルのピースと箱。合わせるには、大きさ、色、形など、ふたつのものがなぜいっしょなのかに気づく必要があり、同じとちがうを見わける目がとぎすまされます。「このくつしたの相棒、見つけられる?」と宝さがしにすれば、山は小さくなり、お子さまは本物の考える力を練習します。

しまいながら数える

  • 積み木をケースにもどしながら、ひとつずつ数える。
  • 棚に本が何冊入るか数える。
  • 車庫にころがっていくミニカーを数える。
  • 床にまだいくつ残っているか数える。

お片づけのなかで数えると、ひとつずつ合わせるすてきな練習になり、忘れものがないかを確かめる方法にもなります。

教えてくれるお片づけゲーム

小さな挑戦があると、片づけがあっという間に進み、算数もしのびこみます。「この箱に入るもの、5つ見つけられる?」で数えることがミッションに。「まず、まるいものを全部しまおう」で形と分けることがまざります。「赤いおもちゃ、いくつ見つかる?」で数えることに色が加わります。やさしい目標を決めて、できたか数えて確かめると、お子さまは夢中になり、家事がパズルに変わります。

量とくらべっこを話す

お片づけには、自然なくらべっこがいっぱいです。「この箱はもうすぐいっぱい、あっちはほとんどからっぽだね」「今日は動物より車のほうが多いね」「このケースには積み木が多すぎるね。もっと大きいのがいるね」。多い、少ない、いっぱい、からっぽ、じゅうぶん、といったことばをちりばめると、量や入る量の感覚が育ちます。お子さまは、自分が手にしている本物のものに結びついた算数のことばを耳にします。

しくみは子どもにまかせる

年中、年長くらいの子は、ものの置き場所を考えるのが大好きです。緑のおもちゃはみんないっしょ、動物にはおうちが必要、とお子さまに決めさせてあげましょう。分けかたのしくみを考えるのは本物の筋道立てた考えで、自分のルールにしたがうことが片づけるやる気にもなります。親のやりかたとはちがうかもしれませんが、それでかまいません。大切なのはきちんと並んだ棚ではなく、考えることだからです。

バトルではなく、軽やかに

お片づけがもめごとのもとになると、算数はどこかへ消えてしまいます。トーンは遊び心をもって、仕事は小さく。「全部片づけて」より「まず積み木だけ」のほうがらくです。いっしょに数えて、並んで分けて、終わったら拍手を。お片づけを、いっしょにする明るい遊びと結びつけている子は、お説教をこわがる子よりずっと進んで手伝い、学ぶことも多いのです。

理解が育ってきているサイン

お子さまが言われなくてもおもちゃを分ける、ペアをすばやく合わせる、箱に数えながらもどす、どのかごが多いかを発表する。自分のお片づけルールを考えだすこともあるでしょう。こうしたサインは、分ける、合わせる、数えるが、親が押しつける家事ではなく、お子さまが自然に手をのばす道具になったしるしで、それは本物の算数の考えが根づいているということです。

相談してみてもいいとき

分ける、合わせる、数える力は、幼児期を通して少しずつ育ち、子どもによって大きな差があります。まわりの子とくらべて、分ける遊び、合わせる遊び、数の遊びにほとんど興味を示さない、毎日の考えやことばが全体的にむずかしそう、できていたことができなくなったようだ、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、園の先生に気軽に話してみましょう。早く伝えることは特別なことではなく、助けを受けやすくしてくれます。

片づけながら、数の感覚を

毎日しているお片づけは、目の前に隠れている、できあがった算数の時間です。まとまりに分ける、ペアを合わせる、数えながらしまう。どれも本物の数の感覚を育てます。軽やかに、遊び心をもってお片づけに算数を織りこめば、さけられない家事が豊かな学びに変わり、うれしいおまけに、部屋もきれいになります。

ポイント: お片づけを、種類や色で分ける、ペアを合わせる、数えながらしまう遊びに変えましょう。遊び心を忘れなければ、片づけが本物の幼児期の算数になります。

NHS, Play and learning for babies and toddlers

CDC, Positive parenting tips for young children