保育園では食べるのに家では食べない?食べかたが変わる理由
保育園に通いはじめてから、子どもの食べかたが変わって、首をかしげたり少し心配になったりすることがあります。家では見向きもしない野菜を園ではもりもり食べている。反対に、園の給食にはほとんど手をつけず、帰ってくるなり「おなかすいた」。どちらもよくあることです。理由がわかると、あわてずに落ち着いて受けとめられますし、実際は思ったより安心できる話であることが多いのです。
園のほうがよく食べる子がいるのは、なぜ?
家では好き嫌いの多い子が、園ではお皿をからにしていると聞いて驚く親はたくさんいます。そこにはいくつかの理由があります。
- お友だちの力。ほかの子が食べているのを見ると、食べてみたくなります。家ではブロッコリーを拒む子が、おいしそうにほおばるお友だちをまねすることもあります。
- 決まった流れ。食事の時間が決まっていて、みんなでいっしょに座り、毎日同じリズムで進むことが、食べる気持ちを後押しします。
- 押し問答がない。食べ物をめぐるこれまでのいきさつも、かけひきする親もいないので、食事があっさり進みやすくなります。
- 空腹と運動。午前中にたっぷり遊ぶと、本当におなかがすきます。
- 期待のされかたの違い。みんなに落ち着いて期待されていることに、子どもはこたえようとするものです。
園でよく食べているなら、心強いことです。その食べ物を食べる力があるという証拠ですし、その力はやがて家でも出てくることが多いのです。
園では食べない子がいるのは、なぜ?
反対のパターンも同じくらいよくあり、たいていはやはりふつうのことです。
- 慣れるまでの緊張。最初の数週間は、落ち着かない気持ちで食欲が落ちることがあります。慣れるにつれて、食べられるようになります。
- 気が散る。楽しそうなものでいっぱいの部屋で、お昼ごはんに集中するのはむずかしいものです。
- 知らない料理。はじめてのメニュー、食感、盛りつけに、最初は手がのびないことがあります。
- 親が恋しい。いちばん身近な大人と離れていると食べる量が減り、そのぶんを家でとりかえす子もいます。
- タイミング。園の食事の時間が、その子のおなかがすく時間と合っていないこともあります。
園ではあまり食べず、家ではよく食べる子は、一日の中で食べる量の帳じりを合わせていることがほとんどです。子どもの食欲は、もともとそういうふうにできています。
一日全体、1週間全体で見る
小さな子が毎食同じように食べることは、めったにありません。食欲は、成長、活動量、疲れ、気分によって自然に変わります。園でお昼をひとつ残したことを気に病むより、一歩引いて、一日全体、1週間全体で何を食べているかを見てみましょう。ある食事であまり食べなかった子も、たいていは別の食事でおぎなっています。この大きな見かたを信じられると、食事の時間がずっと楽になります。
園の先生と、いっしょに
先生と少し話すだけで、本当の様子がわかり、親にできることも見えてきます。
- 実際に、何を、どのくらい、いつ食べているかを聞く。
- 好きなもの、苦手なもの、アレルギーや食事の配慮について伝える。
- 食事の時間が落ち着いていて、急かされていないかを確かめる。
- 園でどんなふうに食べることをうながしているかを聞き、家でのおだやかな関わりとそろえる。
- 園であまり食べないなら、食事の時間帯や、なじみのある食べ物が助けになりそうかを相談する。
家の食卓は、プレッシャーなしで
園でのパターンがどうであれ、家でいちばん役に立つのは、食事をストレスの少ないものにしておくことです。無理じいやごほうびでつるやりかたは逆効果になりやすく、長い目で見ると好き嫌いを強めてしまいます。根拠のある、たよりになる考えかたは、何をいつ出すかは大人が決め、どれだけ食べるかは子どもが決める、というものです。いろいろな食べ物を出し、園の給食に出てくるメニューも食卓にのせ、できるだけいっしょに食べ、食べなくてもおおらかに。落ち着いた家の食卓は、園で起きていることをそっと支えてくれます。
おむかえのときの「おなかペコペコ」に
園であまり食べずに、おなかをすかせて帰ってくる子なら、あわてないように前もって準備しておきましょう。おむかえのときや帰り道用に、体によいおやつと飲み物を用意しておき、夕ごはんを少し早めにできるようにしておきます。夕方5時におなかぺこぺこで疲れた子は、かんしゃくの一歩手前。その空腹にすぐこたえることで、夜全体がおだやかになります。
新しいパターンには、時間を
食べることも、眠ることや離れることと同じように、慣れるまでの数週間はゆれやすく、子どもが園になじむにつれて安定していきます。変化が見えたとたんに、すべてを変えようとしないでください。新しい流れに時間をあげ、先生とこまめに話し、一日のお皿で判断するのではなく、数週間の流れで見ていきましょう。
相談したいとき
園での食べかたの変化は、ほとんどがふつうのことで、やがて落ち着きます。ただし、園だけでなく一日全体、1週間全体を通してずっととても少ししか食べていない、体重が減っている、思うように成長していない、具合が悪そう、いつになく疲れている、元気がない、飲む量がとても少なく脱水のサインがある、食べられるものが極端にかぎられていて本当に心配、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に相談してください。食物アレルギーがわかっている子は、園とはっきり取り決めた対応の計画も必要です。それ以外は、子どもの食欲を信じ、食事の時間を落ち着いたものにして、慣れていく時間にまかせましょう。
ポイント: 園と家で食べかたが違っても、たいていは心配いりません。1週間全体で見て、家の食事はプレッシャーなしに、慣れるまでのあいだは先生と協力していきましょう。