「どうしてそう思ったの?」子どもが考えを説明できるように

子どもが自分の考えをことばにすると、何かがカチッとはまります。ぼんやりしていた考えがはっきりして、すきまが見えるようになり、話しているうちに自分が本当はどう思っているのかに気づくこともよくあります。だからこそ、考えを説明するのを後おしすることには大きな価値があります。正しいかどうかを確かめるのではありません。ふわっとした勘を、はっきりした考えに変える手伝いで、それが考える力そのものを強くします。

説明すると、考えがとがっていく理由

考えをもっていることと、それを説明できることのあいだには、大きな違いがあります。説明するには、考えを整理し、何をもとにそう思ったのかに気づき、ほかの人にもわかる順番に並べなければなりません。これはむずかしくて、役に立つ仕事です。説明しはじめて、ある部分がつじつまが合わないと気づき、その場で直していく子はよくいます。説明することは、考えを報告するだけでなく、考えることの一部なのです。

扉をひらく、ひとつの質問

いちばん力のある誘いは、短くてあたたかいひと言です。「どうやってわかったの?」。答えだけでなく、そこまでの道のりに興味があると伝わります。

  • 「お店が閉まってるって言ったね。どうしてわかったの?」
  • 「お花にお水がいると思うんだね。どうしてそう決めたの?」
  • 「そのピースを選んだね。はまるってどうやってわかったの?」

本当の好奇心から聞けば、こうした質問は、考えた道すじが親にとって大切だと伝え、話したくさせます。冷たく聞けば同じことばでも挑戦のように感じられるので、声のトーンがすべてです。

時間と、ことばをあげる

説明するのは大変なことで、小さな子はことばを見つけるのに助けが必要なことがよくあります。少しの気長さと支えが、大きな力になります。

  • 落ち着かなく感じるくらい長く待つ。説明を組み立てるには時間がかかります。
  • 文の書きだしを渡す。「〜だと思ったのは、〜だからだよ」。
  • 言ったことをくり返して、そこから広げる手伝いをする。
  • 行き先が見えていても、代わりに考えを言いおえない。

子どもの説明を待つ沈黙は、からっぽのすきまではなく、考えている時間です。急いで埋めると、考えることを取りあげてしまいます。

考えをまず受けとめて、それから探る

目的は説明に点をつけることではなく、大切にして、それからやさしく広げることです。ぐらぐらした理由でも、まずはあたたかく受けとめてもらう価値があります。

  • 受けとめる。「おもしろいね。電気が消えてたのに気づいたんだね」。
  • それから、直さずにふしぎに思う。「電気が消えてた理由、ほかにもあるかもしれないね」。
  • 置きかえるのではなく、足す。「形はそのとおりだね。重さのことも何かありそうだよ」。

考えをばらばらにされたり、はねつけられたりする子は、考えを話すのをやめてしまいます。考えを歓迎され、やさしく広げてもらえる子は、考えを声に出すのは安全で、やりがいがあると学びます。

説明できることと、正解することは別

自分の頭のなかで、ふたつを分けておくと助けになります。答えが正しいかどうかと、考えかたがよく考えられていたかどうかです。子どもはまったくまっとうな考えかたで、まちがった答えにたどりつくことがあり、それはほめるべきことで、考えかたを直すべきことではありません。「すごくていねいに考えたね。ここのところだけ、いっしょにもう一度見てみよう」と言えば、考えた道のりを大切にしながら、結果にもやさしく向きあえます。そうすれば、まちがうかもしれないときでも、考えを声に出す勇気が残ります。

ふだんのおしゃべりに織りこむ

特別な時間はいりません。考えた道すじは、毎日の流れのなかで引きだせます。

  • 選ぶときに。「青いコップがいいんだね。何か理由があるの?」
  • 遊びのなかで。「大きいブロックを下に置いたね。どうして?」
  • 絵本を読みながら。「この子はやさしくすると思うんだね。どうしてそう思ったの?」

一日のあちこちに散らばったこうした小さな誘いが、どんな正式な練習よりも習慣を育てます。めざすのは、説明することを、親との会話のふつうで歓迎される一部にすることです。

やりすぎない

何を言っても「どうしてそう思うの?」と返すようになる危険も、本当にあります。それはすぐにうっとうしくなり、子どもを身がまえさせます。タイミングを選びましょう。ただ何かを言いたいだけで、理由を守りたいわけではないときもあり、それでかまいません。本当に知りたいときに、心からの説明の誘いをいくつかするほうが、絶え間ない探りよりずっと役に立ちます。質問にうんざりした様子が見えたら、すっと引きましょう。

発達について、ひと言

考えを説明する力はゆっくり育ち、小さな子の説明は、大きな子よりもシンプルで、ところどころ抜けています。どちらもその段階にぴったりです。まわりの子とくらべて考えをことばにするのがずっとむずかしそう、ことばがとても少ない、ことばの発達に心配がある、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんが力になってくれます。ほとんどの子にとって、説明は年齢と、あたたかく急がない挑戦のチャンスをたっぷりもらうことで、自然と豊かになっていきます。

ことばにすると、考えがはっきりする

考えを説明するのを後おしすると、ぼんやりした考えがはっきりした考えに変わり、話しながら考えを磨いていく姿をよく見られるようになります。「どうやってわかったの?」と聞き、時間とことばをあげ、広げる前に考えを受けとめ、よい考えかたと正解を分けて見る。心からで、無理のない形で続ければ、考えを引きだすことは、お子さまの頭を強くしていく、静かな毎日の方法のひとつになります。

ポイント: 「どうやってわかったの?」と聞き、答える時間をたっぷりあげ、広げる前に考えを受けとめましょう。説明することが、ふわっとした勘をはっきりした考えに変えていきます。

NHS, Help your baby learn to talk

UNICEF, How to support your child's development