おもちゃの安全、選びかたと点検のしかた
おもちゃは、子どもが学び、想像し、育っていくための道具で、そのほとんどはまったく安全です。でも、小さな部品で息がつまる、ボタン電池や強力な磁石でけがをするなど、本当に危険なものも少しだけあります。何を買うかを少し考え、ときどきさっと点検するだけで、遊びは楽しく安全なままです。年齢別のシンプルなチェックリストがあれば、おもちゃを子どもの段階に合わせ、本当に大切なわずかな点に気づけます。
今の年齢に合ったものを買う
おもちゃの対象年齢の表示は、できることのめやすだけでなく、安全のためのものです。まじめに受けとりましょう。3歳未満には向かないと書かれたおもちゃには、たいてい、もっと小さな子の息をつまらせる小さな部品が入っています。赤ちゃんがどんなに発達が早いと思っても同じです。今の段階に合わせてつくられたものを選び、小さな部品のあるおもちゃを持つ上の子と、下の赤ちゃんが同じ場所で遊ぶときは、とくに気をつけましょう。すすめられた年齢から考えることが、年齢別チェックリストでいちばん役立つ点です。
パッケージで確かめたいこと
買う前に、おもちゃが認められた安全基準に合っているかを確かめましょう。日本ではSTマークがそのしるしです。信頼できるメーカーか、表示がはっきりしているかも見ます。小さな部品や窒息の注意、大人の見守りについての注意書きも読みましょう。なじみのないネットのお店や露店で売られている、とても安い、メーカーのわからないおもちゃには注意を。安全の決まりを満たしていない、安全でない素材を使っている、電池がすぐ取り出せる、といったことが起こりやすいからです。買うときの少しの注意が、あとの心配を減らします。
赤ちゃんのおもちゃ
1歳ごろまでの赤ちゃんには、飲みこめない大きさで、小さな部品、とがったところ、長いひものないおもちゃを選びましょう。やわらかくて洗えるもの、ひとつながりのガラガラや歯がためを選び、ぬいぐるみの目や鼻は、のりではなく、しっかりぬいつけてあるかを確かめます。首にまきつく危険があるので、およそ20 cmより長いひもやリボンのついたものは避け、小さな顔に落としても痛くない軽さのものを。赤ちゃんは何でも口に入れるので、こまめに洗って点検しましょう。
幼児と就学前の子のおもちゃ
幼児期から就学前になると、おもちゃは複雑になり、気をつけることもふえていきます。外れる小さな部品に目を配り、ボタン電池や小さな強力磁石が使われたおもちゃは、しっかり閉じこめられていない限り、引き続き避けましょう。乗って遊ぶおもちゃは、安定していて体の大きさに合うものを。外遊びや水遊びのおもちゃは、大人の見守りが必要です。絵の具や粘土は、無害と表示されているかを確かめます。この時期のチェックは、主に小さな部品、電池、磁石、安定性の4つです。
とくに危ない、かくれた危険
重い害をおよぼすので、とくに注意したい危険がいくつかあります。光るおもちゃ、リモコン、雑貨に入っているボタン電池やコイン形電池は、飲みこむと数時間で体の中にひどいやけどを起こします。電池のふたはねじでとめてあり、かんたんに開かないことを確かめましょう。小さな強力磁石は、2個以上飲みこむと腸の壁ごしに引きつけあうので、とても危険です。マグネットのブロックや雑貨は、小さな子から完全に遠ざけましょう。おもちゃの長いひも、引きひも、輪になったひもは首がしまる危険があるので、短くし、ベビーベッドには入れないようにします。
おもちゃを点検し、手入れする
おもちゃはすりへり、こわれたおもちゃは危険になることがあります。ときどき、ひびでとがったところができていないか、部品がゆるんだりなくなったりしていないか、中わたや配線が出ていないか、電池がさびたり液もれしたりしていないかを見ましょう。こわれたものは直すか、捨てます。電池のふたは閉めておき、電池の交換は子どもの見ていないところで。上の子の小さな部品が赤ちゃんの手の届くところにまぎれこまないようにしまい、遊ぶ場所を片づけて、なくした部品が口の中で見つかる、ということがないようにします。
安全なしまいかたと遊び場
おもちゃのしまいかたは、おもちゃそのものと同じくらい大切です。指をはさんだり頭に落ちてきたりする、重くて勝手に閉まるふたのおもちゃ箱は使わないか、ふたを外しましょう。つまずいたり転んだりしないよう、おもちゃは階段や通り道に置かないこと。子どもには大人の目が届く安全な遊び場を用意し、とくに小さな部品、電池、水、乗り物のおもちゃで遊ぶときは、そばにいましょう。おもちゃの表示が何であれ、いちばん価値のある安全対策は見守りです。
すぐに受診したいとき
ボタン電池や2個以上の磁石を飲みこんだかもしれないときは、子どもがまったく元気に見えても、すぐに緊急として動いてください。遅れるほど、重いけがの危険が高まります。おもちゃの部品でのどをつまらせた、部品を飲みこんだ、おもちゃで切り傷、目のけが、やけどをしたときも受診しましょう。小さな物で遊んだあとに、よだれ、飲みこみにくさ、吐く、おなかの痛み、食べたがらない、といったサインがあれば、早めにみてもらいます。
楽しい遊びを大切に
おもちゃのほとんどは、喜びと学びだけをくれるもので、選ぶ楽しさをうばう必要はまったくありません。年齢別のチェック、対象年齢と電池のふたへの正直な注意、ときどきのすりへりの点検。これで危険はごく小さくおさえられます。上手に選び、小さな子の遊びは見守り、遊ぶというすばらしい仕事を思いきり楽しませてあげましょう。
ポイント: おもちゃは年齢に合わせて選び、小さな部品の注意を守り、ボタン電池と磁石はしっかり閉じこめるか遠ざけ、すりへりを点検し、電池や磁石を飲みこんだら緊急として動きましょう。