宿題や学びの時間に、気が散るものを減らす工夫

ほんの少しの宿題や読む練習でも、もぞもぞ、ふらふら、台所との往復で終わってしまうことがあります。「この子は集中できない」と決める前に、まわりの環境を見てみる価値があります。小さな子はまわりの様子にとても敏感で、もぞもぞの多くは、注意の取りあいから生まれているからです。気が散るものを減らす工夫は、どれだけ言い聞かせるより効くことがよくあります。

小さな子の注意は、すぐに引っぱられる

育ちざかりの脳には、まだ強いフィルターがありません。大人なら隣の部屋のテレビの音を聞きながせても、小さな子の注意は、新しい音や動き、おもしろそうな物のすべてに引っぱられます。これは欠点ではなく、今の発達の段階です。親の役目は、もっとがんばりなさいと求めることではなく、競争相手を少し減らして、子どもがもっている集中がいつも横どりされないようにすることです。

もともと集中できる時間は短いので、気の散るものはかぎられた量をけずっていきます。まわりを片づけておけば、子どもが出せる数分が、目についた何かではなく、課題に使われます。

落ち着いた、いつもの場所をつくる

集中する活動のための決まった場所があると、子どもは落ち着きやすくなります。専用の机でなくてかまいません。ダイニングテーブルの片すみを片づければじゅうぶんです。大切なのは、何も置いていない机の上、明るさ、そして足が床に届く座りやすいいすです。

作業する場所は、必要な物以外は片づけてすっきりと。おもちゃやタブレット、物が積まれた机は、ふらふらする心に十いくつもの逃げ道を用意してしまいます。目の前の本、鉛筆、課題以外は、しまっておきましょう。

いちばん大きな原因から手をつける

気の散るもののなかには、ほかよりずっと影響の大きいものがあります。まず、これらに手をつけましょう。

  • 画面。見えるところや聞こえるところでテレビがついていると、小さな子が無視するのはほぼ不可能です。消しましょう。スマホやタブレットは見えないところに、音を消して、別の部屋へ。
  • きょうだい。上の子や下の子が近くで遊んでいると、集中はとてもむずかしくなります。時間をずらすか、きょうだいにも静かにできることを用意しましょう。
  • 音。まわりのおしゃべり、歌詞のある音楽、家のなかのばたばたは、どれも注意を引っぱります。静かで落ち着いた部屋なら、集中が落ち着きます。
  • 散らかった物とおもちゃ。課題より楽しいものは、必ず勝ちます。片づけるか、見えないところで取りくみましょう。

タイミングを整える

どこでやるかと同じくらい、いつやるかも大切です。おなかがすいている、疲れている、エネルギーがあり余っている子には、集中に使える力がほとんど残っていません。先におやつを出して、長く疲れた一日の終わりではなく、そこそこ元気なときを選びましょう。

先に少し体を動かすのも、よく効きます。庭をひとっ走り、数分ジャンプするだけで、落ち着かない体が静まり、そのあと頭が集中できるようになります。そわそわしている子にじっとすることを無理に求めても、まずうまくいきません。

時間は短く、はっきりと

小さな子は長く集中できないので、課題を本当の力に合わせましょう。長引くせめぎあいより、うまくいく短い数分のほうが価値があります。課題を小さなかたまりに分け、「終わり」がどこかを伝えておくと、はっきりした近いゴールをめざせます。

かたまりのあいだに短く体を動かす休憩を入れると、集中が新鮮なまま保てます。立ちあがる、のびをする、窓のところまで歩いてみる。みんながイライラするまでがんばらせるより、ずっとよく注意をリセットしてくれます。

そばに座って、落ち着いて

親がそばにいることは、注意をそっとつなぎとめる支えになります。自分の静かな作業をしながらでもとなりに座っていれば、つきっきりで口を出さなくても、子どもは課題からはずれにくくなります。注意がそれたら、軽くふれるか、小さな声で「はい、次ね」と言えば、くり返しの小言より、もめずに連れもどせます。

雰囲気はあたたかく、プレッシャーを少なく。宿題のたびのバトルは、学ぶことをこわいものにしてしまいます。速さや完ぺきさではなく、がんばったことと続けたことをほめて、この時間を自信の育つ時間にしましょう。

シンプルな流れをつくる

集中する活動を毎日だいたい同じ時間、同じ場所ですると、子どもの頭は集中モードに切りかわりやすくなります。おやつ、それから課題、そのあと好きなこと、といった短く予想できるリズムがあれば、取りかかるときの言いあいがなくなります。そのうち、流れそのものがかなりの仕事をしてくれるようになります。

集中のむずかしさが続くとき

ほとんどの小さな子にとって、集中しにくいのはふつうのことで、年齢、落ち着いた環境、短い時間とともによくなっていきます。ただ、同じ年ごろの子よりずっと何にも落ち着いて取りくめない、ほとんどいつも動いている、とても衝動的、あるいは家だけでなくいろいろな場面で、集中のむずかしさが学びや毎日の暮らしに影響している、という場合は、園や学校の先生、かかりつけの小児科医、地域の保健師さんに話してみましょう。多くはまだふつうの幅のなかですが、早めの相談で支援につながり、聞こえのむずかしさなど、ほかの原因がないかも確かめられます。

とはいえ、ほとんどの家庭では、変化は実際的で、すぐに表れます。画面を消し、部屋を静かにし、いいタイミングを選び、短くして、そばにいる。続けていけば、お子さま自身の集中がちゃんと輝けるくらいに、気が散るものは減っていきます。

ポイント: 画面と散らかった物を片づけ、元気なときを選び、時間は短く、そばに座る。そうすれば、かぎられた集中が課題に向かいます。

CDC, Positive Parenting Tips

NHS, Attention deficit hyperactivity disorder (ADHD)