クレヨン、チョーク、マーカー。年齢に合ったお絵かき道具の選び方

文房具売り場に立つと、意外と迷ってしまうものです。太いのか細いのか。水で落ちるタイプか、そうでないか。折れやすいチョークか、色移りするマーカーか。道具選びのコツは、今のお子さまの手の育ち、安全面、そして今どんなふうに線を描くのが好きかに合わせることです。段階ごとに考えてみましょう。

1歳6か月ごろまで:太くて安全なものを

いちばん小さな描き手は、手のひら全体でぎゅっとにぎり、強く押しつけて描きます。折れにくく、飲みこめない大きさの道具が必要です。太いクレヨン、たまご形のクレヨン、太めの水で落ちるクレヨンなどがこの時期に合います。まだ何でも口に入れる時期なので、太くて安全性の表示がある物を選ぶのは、好みではなく大切な安全対策です。細い物や外れる小さな部品がある物は避け、そばで見守りましょう。

1歳半から3歳ごろ:クレヨンが大活躍

クレヨンの出番がいちばん多い時期です。のちに鉛筆を持つための小さな手の筋肉が育ちつつあり、短くずんぐりしたクレヨンがかえって役立ちます。折れたクレヨンは困りものではありません。短いかけらは、指先を使ったより成熟した持ち方へと自然に導いてくれます。三角形のクレヨンなら机から転がり落ちにくく、しっかり持てます。腕を大きく動かせるよう大きな紙を用意しましょう。壁に描きたくなるほどの勢いは、テープで床に固定した紙で受けとめるのがいちばんです。

チョークは外で

次のおすすめはチョーク、とくに外遊びで。太い路面用のチョークは、くっきり太い線が描けて気持ちよく、雨やバケツの水で流せるので汚れの心配がありません。塀や壁のような立てた面、地面に描くと、肩や手首をよく使います。チョークの粉が目に入るとしみることがあるので、描いたあとは手を洗いましょう。どの道具も、小さな子向けと表示されているか確かめるのが基本です。

マーカー:魅力的だけれど、注意点も

マーカーは軽い力ですいすい描けて、鮮やかな色が出るので、子どもは大喜びです。強く押して描くのが疲れる子にとっては、自信につながることもあります。注意点は汚れと小さなキャップ。子ども用の水で落ちるマーカーを選び、のどにつまるおそれがあるキャップから目を離さず、ふける場所で使いはじめましょう。めずらしさが落ちつくまでは、出しっぱなしにせず、大人がいるときのお楽しみにしている家庭もあります。

持ち方に合わせて選ぶ

どの年齢にも共通するのは、お子さまの持ち方を見て、その段階に合った道具を渡すことです。手をグーにしてにぎる小さな子には、太くてじょうぶな物。指先を細かく使えるようになってきたら、細めのクレヨンや鉛筆も扱えるようになり、さらに思いどおりに描けるようになります。早くから「正しい持ち方」を無理に教える必要はありません。直されてばかりだとお絵かきがつまらなくなります。合う時期に合う道具を渡すほうが、ずっと効果的です。

どの年齢でも変わらない安全の基本

何を選ぶにしても、乳幼児期を通して守りたい習慣があります。パッケージで安全性の表示と対象年齢を確認すること。マーカーのキャップ、飲みこめるほど小さくなったチョーク、鉛筆削り、細かい部品は、赤ちゃんやよちよち歩きの子から遠ざけること。小さな物は窒息のおもな原因のひとつです。3歳未満のお絵かきは大人が見守り、危ない道具は使わないときは手の届かないところへしまいましょう。どれも水で落ちるタイプにしておけば、大人も気がらくです。

お子さまの好みも大切に

子どもにははっきりした好みがあることが多く、それを尊重するとお絵かきは楽しいまま続きます。マーカーの鮮やかさが大好きな子、クレヨンのおだやかで思いどおりになる感じが落ちつく子、庭でチョークを持ったときだけ目が輝く子。ひとつに決める必要はありません。少しずつ、一度に1種類を入れかえて出すと新鮮さが続き、お子さまがどの道具にいちばん引きよせられるかも見えてきます。

まずそろえるなら

目安としては、1歳ごろから毎日使う太い安全なクレヨン、外遊びが好きになったら庭や公園用の太いチョーク、そして少しあとから、大人が見守る道具として水で落ちるマーカー。箱の対象年齢より、目の前のお子さまに合わせて調整してください。発達には大きな個人差があり、表示はあくまで目安です。

相談したほうがいいとき

道具選びはふつう健康の問題ではありませんが、お絵かきから気になることが見えることもあります。幼児期をかなり過ぎても太いクレヨンをうまくにぎれない、どの道具でもすぐにひどく疲れてしまう、まわりの子が楽しんでいる年齢になっても描くことにまったく興味を示さない。こんなときは、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医に話してみると、安心できたり、早めの手がかりがもらえたりします。たいていは、合う道具を手の届くところに置いて、自由に試させてあげればじゅうぶんです。

ポイント: 持ち方と安全に合わせて。はじめは太いクレヨン、少しあとからチョークと水で落ちるマーカー。あとはお子さまの好みにまかせましょう。

NHS, Baby and toddler safety

CDC, Developmental Milestones