玄関から道路、駐車場まで。幼児の飛びだしを防ぐ習慣
玄関のドアから車や歩道までの数メートルは、幼児が通る中でもとくに危ない場所のひとつです。毎日のことすぎて、気がゆるむからです。開いたドアからするりと出ていく、止まっている車のあいだにかけこむ、大人が荷物と鍵で手いっぱいの瞬間に手を離す。玄関まわりの交通安全の習慣をしっかり身につければ、ふだんの行き来が、静かにずっと安全な時間に変わります。
玄関が危ない場所になる理由
幼児は予想がつかず、すばやく、バックする運転手からは見えにくいほど小さいのです。道路のことがわからず、車の速さを判断できず、思いついたらすぐ動くので、道の向こうのねこや落としたおもちゃを見て、なんの前ぶれもなく走りだすことがあります。駐車場や家の駐車スペースには、せまい場所で車が動き、背の低い子が運転手の視界から消えるという、特有の危険も加わります。玄関と駐車場を、ただの出入り口ではなく危険の高い場所と考えることが、そこで子どもを守る第一歩です。
まずはドアそのものを
玄関まわりの安全の多くは、ドアから始まります。ひとりで玄関のドアを開けられる子は、数秒で道路に出てしまうので、幼児の手の届かない高い位置に、補助錠、かんぬき、チェーンをつけ、使う習慣をつけましょう。買いものの荷物をおろすあいだも、ドアを開けっぱなしにせず閉めておき、宅配便やお客さんのときなど、ドアが開いたままになりやすい時間に気をつけます。家が交通量の多い道路にすぐ面しているなら、こうした対策はなおさら大切です。
毎回、必ず手をつなぐ
いちばん力のある習慣は、いちばんシンプルです。ドアを出た瞬間から、チャイルドシートに座るか家に入るまで、子どもと手をつなぎましょう。幼児がそれを当たり前と思うよう、ゆずらない決まりにし、するりとぬけやすい指先ではなく、手首をにぎるなど、しっかり持ちます。両手がふさがっているなら、荷物を置いて先に子どもの手をとるか、すぐ走りだす子には迷子ひもや手首のベルトを使いましょう。続けることがかなめです。幼児は、道路と車のそばではいつも手をつなぐのだと覚えていきます。
車のまわりの安全な流れ
車の乗り降りは定番の危険な瞬間なので、はっきりした流れがあると助けになります。毎回、次のことをしてみましょう。
- 荷物やトランクより先に、子どもをチャイルドシートに乗せる。
- 着いたら、いっしょに歩く準備ができてから、最後に子どもをおろす。子どもが車のそばにひとりで立つことがないように。
- できるだけ、通る車から離れた歩道側で乗り降りするよう教える。
- 少しのあいだでも、家の駐車スペースや駐車場で、子どもをひとりで遊ばせたり歩かせたりしない。
流れが決まっていれば、子どもが車の外にいるのは、いつも大人の手がその手をとれるときだけになります。
バックする車に気をつける
家の駐車スペースには、痛ましい特有の危険があります。バックする運転手からは、車のすぐ後ろにいる小さな子が見えないのです。家の駐車スペースや駐車場で車を動かす前には、子どもがどこにいるかを必ず確かめましょう。できれば手をつないでいるか、ほかの大人といっしょに家の中にいるのがいちばんです。少しでも迷ったら、バックする前に車のまわりを歩いて確かめます。少し大きくなった幼児には、車の後ろには絶対に行かないこと、止まっている車のまわりでは大人のそばにいることを教えましょう。
成長に合わせてやさしく教える
小さな幼児はすべて大人が頼りですが、交通への気づきの土台は、少しずつつくりはじめられます。歩道のふちで止まる、車を見て、音を聞く、わたるのは大人といっしょだけ、とかんたんに話しましょう。大人もよいお手本を見せます。子どもは、大人が止まり、見て、手をつなぐ姿から、いちばん多くを学ぶからです。こわがらせず、落ち着いて淡々と話せば、決まりは出かけるときのふつうの一部として身についていきます。本当の交通の力がつくのはまだ先なので、幼いあいだはずっと見守りが欠かせません。
受診したほうがいいとき
玄関まわりの交通安全は予防の話ですが、もしもに備えておきましょう。子どもが車と何かあったときは、ゆっくりぶつかっただけでも、医療機関でみてもらいます。けがは、すぐには見えないことがあるからです。意識がない、息が苦しそう、出血が多い、ひどく眠そう、明らかな大けががある、というときは、すぐに119番に電話してください。車とぶつかったあとは、けががないように見えても、みてもらうのがいつでも賢明で、何かおかしいと感じたら、自分の直感を信じましょう。
落ち着いた行き来を
玄関と駐車場は、いつでもばたばたと手がふさがる場所ですが、危ない場所である必要はありません。ドアに鍵をかけ、毎回手をつなぎ、車のまわりの流れを決め、バックする車に気を配る。そうすれば、玄関まわりの交通安全は、毎日の暮らしの自然な一部になります。あの数メートルは、一日の中の落ち着いた、よく整った時間のひとつになり、子どもは、大人がどれだけ気を配って整えたかに気づかないまま、安全にそこを通っていきます。
ポイント: 玄関まわりの交通安全には、幼児の届かない高い位置のドアの鍵、道路や車のそばで毎回つなぐ手、駐車とバックする車のまわりの安全な流れが必要です。