成長に合わせて、毎月の家の安全チェック
安全対策は、ある日の午後にロックをつけて、あとは忘れてしまうものではありません。先月は寝返りもできなかった子が、今月はつかまり立ちをしているかもしれず、家もそれについていく必要があります。すべての危険を一度に思い出そうとするより、短く定期的に見直すほうが、時間にも気持ちにもずっとやさしいものです。一度きりの行事ではなく、毎月のリズムとして考えれば、小さな変化を、ひやりとしたあとではなく、早めにとらえられます。
毎月のリズムがうまくいく理由
子どもの発達は一気に進むことがあり、新しい力がつくたびに、新しい危険が生まれます。はいはいで床の上の危険に手が届き、立つとテーブルの上やコードに、登るようになると、まったく新しい高さに届きます。こうした変化は速く、予想がつかないので、毎月決まった日があれば、変わっていく子どもの目で家を見直す、確かなきっかけになります。頭の中の負担も分散され、あわてて対応するのではなく、少しずつ直していけます。
覚えやすい日を選びましょう。毎月の最初の週末や、火災警報器の点検の日などがおすすめです。毎回同じ日にすれば、ほとんど考えなくてもできる習慣になります。
毎月のチェックリストをつくる
役に立つチェックリストは、毎回同じ大事な場所を見るので、何かがこっそりもれることがありません。家の中を歩きながら、次のことを確かめましょう。
- 倒れそうな家具やテレビ、固定のベルトがまだしっかりしているか。
- 手の届くようになった小さな物。硬貨、ボタン電池、磁石、おもちゃの小さな部品など。
- まきついたり引っぱられたりしそうなコード、ブラインドのひも、充電ケーブル。
- 洗剤、薬、とがった物が入った棚や引き出し。
- ベビーゲート、窓のストッパー、ドアのロックが、まだしっかり働くかのテスト。
- 熱くなる場所、電気ケトル、コンロのまわり、好奇心いっぱいの手が今どこまで届くか。
リストは、実際に使えるくらい短く。目的は、すばやく正直に見回すことで、いやになって飛ばしてしまう、ストレスの大きい点検ではありません。
子どもの目の高さになる
月に一度、数分だけ、子どもの今の背の高さで、はったりひざをついたりしてみましょう。この単純な動きで、立っていると見えない危険が見えてきます。たれ下がった照明のコード、ぐらぐらする小さな台、ソファの裏の小さな物がたまるすき間。子どもの背がのびてきたら、つま先立ちで手をのばした高さでも同じことをします。見つかるものは月ごとに変わり、だからこそ、一度きりの安全対策では足りないのです。
新しくできるようになったことに合わせる
毎月のチェックは、子どもがやりはじめたばかりのことに結びつけましょう。家具につかまってつたい歩きを始めたら、ぐらつく家具ととがった角をもう一度見ます。引き出しの開けかたを覚えたら、ロックと、その引き出しの中身を見直します。よじのぼりが始まったら、注意は上へ。本棚、調理台のそばに寄せたいす、足がかりになるものすべてです。まず新しくできたことを挙げると、どこを見ればいいかがわかるので、残りのチェックが早くすみます。
洗剤と薬は毎月見直す
洗剤と薬は、毎月あらためて見ておきたいものです。買い足しをするうちに、習慣がずれていくからです。掃除のあと低い棚に置いたままのボトル、痛み止めが入ったまま手の届くところにあるバッグ、今週買った新しいサプリメントは、どれも危険になりえます。薬と薬品は、高く、見えない場所に、もとの容器のまましまい、毎月のチェックを、出しっぱなしのものを元の場所に戻すときにしましょう。
ほかに子どもをみてくれる人とも共有する
家の安全は、子どもをみる全員が同じ基本を守るとき、いちばんうまくいきます。祖父母、ベビーシッター、一時預かりの人は、子どもが新しい段階に入ったことを知らないかもしれません。毎月の見直しをきっかけに、最近の変化を伝えましょう。新しく登るようになった、このゲートはいつも閉めておいてほしい、といったことです。短く気軽に伝えれば、だれも責められたと感じずに、子どもをみる人たちの足並みがそろいます。
急いで対応したいとき
毎月の見直しで見つかることの多くは、予防のためのもので、急ぎではありません。それでも、すぐに動きたい場面もあります。重い家具がまだ固定されていないのに子どもが登りはじめたなら、次のチェックを待たずに優先しましょう。中毒110番(日本中毒情報センター)の連絡先を手元に置いておき、ボタン電池、磁石、薬品を飲みこんだかもしれないときは、様子を見ずにすぐに医療機関へ。
無理なく続けるために
めざすのは、危険がまったくない家ではありません。そんな家はありません。めざすのは、子どもについていける家です。ほとんど何も変えない月もあり、それは仕組みがうまく回っているしるしです。成長が一気に進んで、リストが長くなる月もあるでしょう。どちらにしても、定期的で負担の少ない見直しは、気持ちだけよりずっと確かに子どもを守ってくれます。
ポイント: 安全対策を、子どもの新しくできたことに合わせた毎月の短いチェックにすれば、家がそれぞれの段階についていけます。