いざというときの家族の緊急連絡カードをつくる

あわてた瞬間には、そらで覚えている電話番号さえ、頭から消えてしまうことがあります。前もって書いておいたかんたんなカードがあれば、子どもをみている人はだれでも、追いつめられた中で頭をはたらかせなくても、必要な情報を手にできます。子どもの緊急連絡カードは、ベビーシッターでも、祖父母でも、あわてている自分自身でも、みんながいちばんその場で考えられないときにこそ役に立つ、小さな備えです。

紙のカードが今も大切な理由

何でもスマホに入れている時代だからこそ、紙のカードをもっておく価値があります。スマホはロックがかかっていたり、電池が切れていたり、どこかに置き忘れたり、別の部屋にあったりします。初めてベビーシッターをする若い人は、住所や子どもの生年月日を知らないかもしれません。冷蔵庫にはったカードや、かばんに入れたカードなら、パスワードも電波もいりません。けがや急病で動けないのが親自身のときも、ほかの人がすぐに子どもの大切な情報を見つけられます。

カードに書くこと

カードはすっきりと、いちばん大切なことがひと目で読めるようにしましょう。よいカードには、たいてい次のことが書いてあります。

  • 子どものフルネーム、生年月日、ふだん呼ばれている名前。
  • 自宅の住所。救急車がすぐ見つけられるよう、目印になることもそえて。
  • 両親や保護者の携帯番号と、近くに住む、もうひとりの信頼できる連絡先。
  • かかりつけ医の名前と電話番号、子ども医療電話相談(#8000)。
  • わかっているアレルギー、持病、ふだん飲んでいる薬とその量。
  • 救急と消防の119番、それに中毒110番(日本中毒情報センター)。

手書きでも、打って印刷してもかまいませんが、読みやすく、最新の情報にしておきましょう。つめこみすぎて、大切な行が急いでいるときに見つけにくくならないように。

個人情報は大切に

カードには個人の情報が書かれているので、どこに置くかも考えましょう。家なら、冷蔵庫や台所の棚の内側にはっておけば十分ですが、家の外に持ちだすものには気をつけます。人目につくかばんにすべてを書いたカードを入れるより、家にはくわしい版、おむつバッグや園のかばんには、名前、親の番号、大切な医療のことだけの短い版、と分けるのもひとつの方法です。いちばん大事な個人情報は見えないようにしつつ、子どもをみる人が親に連絡できるようにしておけます。

大切な場所にコピーを

1枚でも始まりですが、いくつかの場所にコピーを置くと、本当に役立つものになります。冷蔵庫や台所の掲示板など、ベビーシッターの目につく場所に1枚はり、出かける前に場所を伝えましょう。おむつバッグに1枚、車に1枚、祖父母やいつも預かってくれる人にも1枚。保育園に通っているなら、園にも同じ最新の連絡先がわたっているか確かめます。いくつかの場所にあれば、どこで緊急事態が起きても、カードがそこにあります。

子どもをみる人と話しておく

カードは、持っている人が使いかたを知っていてこそ役立ちます。ベビーシッターや親せきに子どもを預けるときは、1分だけ時間をとって、カードの場所、自宅の住所、いろいろな場面でまず何をするかをいっしょに確かめましょう。大変なことが起きたら、親に連絡がつくのを待たずに、まず119番、そのあと親に連絡、といったシンプルな決まりを話しておきます。この短い会話で、1枚の紙が、みんなで共有する計画になります。

最新の情報に保つ

連絡先も、薬も、子どもに必要なことさえも変わっていくので、カードは一度書いて忘れるのではなく、ときどき見直しましょう。誕生日や、園の新しい学期の始まりなど、もともとすることに合わせて確かめ、すべてのコピーを同時に新しくして、古い情報が残らないようにします。大切な番号が変わったら、すぐに書きなおすか、カードを替えましょう。

大きくなってきた子には、自分の情報を

子どもが大きくなってきたら、カードはやさしい学びの道具にもなります。多くの子は、親の電話番号や自分の住所を少しずつ覚えられ、万一親とはぐれたときに、本当に役に立ちます。訓練ではなくゲームのように、落ち着いて練習すれば、こわがらせずに、本当の緊急時に助けになる自信が育ちます。119番のかけかたと、何を言えばいいかも教えておきましょう。

小さな手間で、大きな安心

カードを使う日が来ないこと、それがいちばんです。でも、子どもの緊急連絡カードを書いて置いておく数分間が、何かが起きた日には大きな落ち着きをくれます。ベビーシッターも、ご近所の人も、救急隊員も、必要なことをすぐに手にでき、親は、どんな非常事態が来る前にも、ひとつ冷静な判断をすませておけたことになります。目立たない、静かなこうした備えこそ、よい家の安全の姿です。

ポイント: 子どもの緊急連絡カードは、名前、親の番号、大切な医療の情報をひとつのわかりやすい場所にまとめ、親が動けないときも、子どもをみる人がすぐに動けるようにします。

NHS, When to call 999

CDC, Prepare Your Health for emergencies