写真をきっかけに、子どもとの会話と好奇心を広げる

わたしたちはポケットのなかに何百枚もの写真を持ちあるいていて、それは小さな子に考えて話してもらうための、いちばん手軽な道具のひとつです。写真があると、子どもには見て、指さして、説明できる具体的なものができ、ひらかれた質問のプレッシャーが軽くなります。写真を会話と好奇心のきっかけにすると、ふつうのスマホのアルバムが、思い出と、ふしぎと、驚きをいっしょにのぞく窓に変わります。

写真がこんなにうまくいく理由

写真は、ひとつの瞬間を止めておいてくれます。考えがすばやく動き、記憶はまだ育っている途中の小さな子にとって、その止まっていることがありがたいのです。自分のペースで写真をじっくり見て、細かいところに気づき、そのことを話せます。写真には気持ちもこもっています。お出かけの日の写真は、事実だけでなくそのときの気分もよみがえらせ、ぼんやりした質問よりずっと多くの話すことをくれます。

写真を指さしながら話すのは、何もないところから思いだしなさいと言われるより気がらくなので、話すのが苦手な子でも口をひらいてくれることがよくあります。

まずは、その子自身の暮らしから

いちばん力のある写真は、お子さまが写っている写真です。知っている顔と場所が、すぐに会話へ引きこんでくれます。

  • 「見て、海に行ったときだね。何してたの?」
  • 「いっしょに写ってるのはだれ?みんなで何を笑ってたの?」
  • 「これはお誕生日だね。あの日のこと、何を覚えてる?」

自分の経験について話すことは、思いだしたり出来事を順番に並べたりする練習になります。くつろいだおしゃべりの姿をした、本物の考える力です。

思いだすことから、ふしぎがることへ

写真は思い出のためだけのものではありません。好奇心へのすばらしいジャンプ台です。何があったかを話したら、見えるものについてふしぎがってみましょう。

  • 「この鳥、どこへ飛んでいくところだったんだろうね」
  • 「この大きな波を見て。どうしてこんなに大きくなったと思う?」
  • 「この建物、すごく古いね。昔はだれが住んでたんだろう」

「何があったか」から「なんでだろう」へ移ると、写真がただのふり返りではなく、会話と好奇心のきっかけになります。写真が、ふしぎがることにつかまるところをくれるのです。

家族の写真だけでなく、どんな写真でも

自分たちのスナップにこだわる必要はありません。おもしろい写真なら、どれでも会話が始まります。

  • 虫や花のアップの写真を、いっしょにじっくり考える。
  • 遠い場所の写真。「ここに住むのって、どんな感じだと思う?」
  • 祖父母の子どものころの古い写真で、むかしと今をくらべる。
  • 「ここで何が起きてるの?」と言いたくなる、おもしろい写真や意外な写真。

見なれない写真は、子どもの考えを自分の経験の外へのばし、想像したり、予想したり、たずねたりしたくさせます。

子どもにリードしてもらう

いちばん豊かな会話は、何が大事かを子どもが選ぶときに生まれます。スクロールして、指さして、選んでもらいましょう。親ならとばしてしまう小さなところにこだわったら、ついていきましょう。子どもの興味が燃料で、自分で選んだ写真は、親が選んだ写真よりたくさんのことばを引きだします。親の役目は案内をあやつることではなく、となりでいっしょに好奇心をもつことです。

クイズではなく、おしゃべりのままに

写真を記憶のテストにしたくなる誘惑があります。「これはだれ?どこにいたっけ?何曜日だった?」。続けて聞くと、すてきな時間が試験に変わり、子どもは口を閉じてしまいます。質問ではなく感想やふしぎがりから話しはじめ、話したら待って、子どもには好きなことを足してもらいましょう。ただ静かに見たいだけなら、それでもかまいません。めざすのは楽しさとつながりで、話はそこから自然に流れてきます。

かんたんに組みこむ方法

写真は、手間なしにちょっとした時間にはまります。

  • 寝る前に何枚かいっしょに見て、落ち着く時間に。
  • 何枚かプリントして、子どもが何度でも見られるところに貼る。
  • 最近のお出かけの小さなフォトブックをつくって、おはなしのように読む。
  • バスのなかで写真を出して、時間をつぶしながらおしゃべりを。

ふつうの場面に織りこむと、写真は、計画しなければならない特別な活動ではなく、いつもの手軽な会話のきっかけになります。

ひと言、そえて

写真を見ながら話すことは、ことばと記憶をみごとに支え、子どもの育ちを助ける毎日の会話や読み聞かせ、遊びの小さな一部です。お子さまが話しかけにほとんどこたえない、年齢のわりにことばがとても少ない、聞こえやことばに心配がある、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんが確かめてくれます。でもほとんどの子にとって、家族の写真をいっしょに見ることは、少し時間があればいつでもできる、あたたかく豊かな好奇心とおしゃべりのみなもとです。

アルバムの数分が、会話を育てる

写真は、小さな子に、気づいて、思いだして、ふしぎがるための具体的なものをくれ、話すことをらくに、豊かにしてくれます。その子自身の暮らしから始め、思いだすことからふしぎがることへ移り、子どものリードについていき、テストではなくおしゃべりのままに。家族のアルバムをめくる数分は、どんな計画した活動にも負けないくらい、好奇心とつながりを育ててくれます。

ポイント: 写真は、小さな子に話すための具体的なものをくれます。その子の暮らしから始め、思いだすことからふしぎがることへ移り、リードについていき、クイズではなくおしゃべりのままに。

NHS, Help your baby learn to talk

UNICEF, How to support your child's development